●頭部
トゲトゲした甲羅で、上を向いた咆哮顔。
これぞまさにG3!!!
首が長めで、空の方を見てるのがなんとも平成ガメラだ。
平成ガメラって空からだったり、自分より大きな敵と戦いがちなので、上向いてる印象が強いです。
瞳も上向き、乱杭歯の生える歯茎を剥いて猛るガメラ。
平成ガメラは作を追うごと見た目が攻撃的に変化。
戦い方も痛々しくなり、熾烈な雰囲気が漂いますが、本製品は各所にその設定の臭いが強まる意匠が散りばめられているのです。
さて。ここまでご紹介したポイントに違和感を覚えた方はかなりのガメラ通。
なぜならば、G3のガメラは
1・甲羅はそれほど厚くない
2・乱杭歯ではない
3・歯茎を剥かない
つまりこの製品のディテールは間違っている......???
決してそんなことはございません。
これらの意匠の理由、シリーズのコンセプトの解説を交えながらご紹介いたします。
■「K.I.S」という試み
「K.I.S」
とは
「kaiju imagination series」
の略称で、ガレージキットブランド
「ZO MODELS」
が展開するシリーズのひとつ。
劇中の姿の再現にとどまらず、キャラクターに着想を得たイマジネーションを融合する意欲的な試みです。
先ほど挙げた意匠は、
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』
のストーリーや設定、モチーフの生物的特徴を強調して盛り込んだもの。
●巨大生物としてのガメラ
G3は
ワニガメ
や
カミツキガメ
、
マタマタ
に似た印象を受けます。
「K.I.S ガメラ3」
はスーツ版のディテールと生物的な特徴を融合。
平たい腕にどっしりした足腰と太く長い尻尾。
亀をモチーフにした怪獣としてふさわしい風格です。
スパイキーなG3、各所をさらに強調。
エルボークローは増え、外側に向き、攻撃性の高まりを表現しているかのよう。
ふくらはぎ周りのカーフクロ―も本数が増え鋭利に。つま先も爪がシャープで、踏みしめるような表情付けがなされています。
甲羅はより立体的で、重なりを意識した形状に。
劇中のスーツもシリーズ内では重なりが強く意識されたものですが、K.I.Sでは中央に高さを設けたことで角度が生まれ、よりメリハリのあるフォルムを実現。
最大のアレンジポイントともいえる尻尾。
太さ長さが全くの別物であることはもちろん、スーツ版がひだ状の連続であるのに対し、K.I.Sではトゲ状のディテールがこれでもかとてんこ盛り。
導入でも触れましたが、K.I.Sでは歯を乱杭歯に変更。
捕食のためということも考えにくく、噛み付くために新しい歯が生え続けるかのよう。
剥き出しの歯茎も強い攻撃性をにじませ、G3の恐ろしさを底上げしています。
こうして見比べると、まったく異なるディテールを有しながら印象は間違いなくG3。
アレンジをしても違和感は与えない。
生物、それも非常に巨大な存在としての解像度を高めることで、ガメラをデザインしていることがよくわかります。
この製品、完成品であることがアドバンテージのひとつ。
それは、ZO MODELSがガレージキットブランドだから。
ぜひお手に取っていただければ幸いです。
■「K.I.S(kaiju imagination series)」とは
劇中の姿の再現にとどまらず、キャラクターに着想を得たイマジネーションを融合し立体化するシリーズ。
長年にわたり造形を生業とする、ZO inc.代表の伊原氏がプロデュースを行う。
怪獣・特撮作品・ガレージキットなど密接なカルチャーへのリスペクトを捧げる姿勢と、優れた造形・確かな品質により各分野のファンから高い評価を得ている。
新規の方・細かいことを気になさる方・御連絡、御支払いに自信のない方は入札をお控えください。
よろしくお願いいたします。